理事長メッセージ 乗馬は経営学。

ある尊敬する経営者ご夫婦が事業承継をされることになり、その会社で展示していた本物の仔馬ほどある立派な馬の木像を育成協会に寄贈してくださることになりました。
        
無事に引越しを終え、玄関に置かれた駿馬くんは晴れてわれわれの愛馬となり、毎日元気に職員の出勤を出迎えてくれています。
今回は託してくれたご夫妻への謝意を込めて、「乗馬から学んだ経営」をテーマに選びました。

 

馬に乗って優雅に揺られるのが乗馬。イメージは合っていそうですが、全く違います。もしそうであればじっとしていることが苦手な私などはすぐに飽きてしまうでしょう。
経営も、優雅に贅沢をして楽しむことだとすると、それはいつか退屈に感じ、世界中の経営者の数が激減するかもしれません。

 

持論の乗馬とは、身体と心の全感覚を使って相手に目的を伝え、期待していた答えが明確に返ってきてひとつの手ごたえを感じること。全感覚を使って伝える練習をこつこつと続けていますが、まさしく経営を学ぶことと重なる部分が多くあります。

馬に伝えるには、まずは迷わないことです。どこに向かってどう歩くのか、走るのか、止まるのかを馬の上に乗ってから考え、迷っていたならば、単に迷走する馬が出来上がってしまいます。乗馬レッスンではインストラクターの指示があれば動く馬も多くいますし、競走馬も群れを成す習性を活かす競技かもしれません。ですが、本来は乗り手が指示を出すものです。はじめの一歩から最後の一歩まで、全て迷わずリード。そのためには今の一歩は既に頭に描ききった一歩、次の一歩、できれば十歩先、百歩先までの速度、足取り、コース、そして目的も過去のイメージの再現することです。
修正を加え乍ら、既に心にあるイメージを現実にする。だから迷わない。経営もこの繰り返しではないでしょうか。

 

次の課題は一貫性。同じ動きを求めるのに今日と明日、日毎に指示を出す態度を変えたとして、馬は同じ答えを返してくれるものなのでしょうか。疲れているときに雑になり、ストレスが溜まっているときには感情的になるのも人の自然な心理かもしれません。しかし美辞麗句のない、忖度のない動物と同じ目的を果たす楽しみを味わうには、このような態度はご法度。乗馬では、自分では気づかない程の態度の違いも馬が気づきます。馬が自分の鏡のような動きになるのです。
気分次第で接するのではなく、一貫した態度で接する重要性。経営にそのまま活かせます。

このまま延々と蘊蓄を語りたいのですが、経営学を解くには乗馬がお勧め、の少し突飛な理論、一旦ここで下馬します。

お読みいただいた育成協会の顧問先様、みんなの愛馬に会いにいらしてください。

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